一橋大学の文献案内「社会科学の基礎を学ぶための50冊」の「2 社会科学入門」から、後編として9冊。日本の近代をどう捉えるかを問う本と、戦後の世界経済や国家の盛衰を大づかみに描く本が並ぶ。小説が1冊混じっているのも、このリストの性格をよく表している。
出典:https://www.soc.hit-u.ac.jp/~takujit/book_list.html
現代日本の思想が当面する問題は何か.その日本的特質はどこにあり,何に由来するものなのか.日本人の内面生活における思想の入りこみかた,それらの相互関係を構造的な視角から追求していくことによって,新しい時代の思想を創造するために,いかなる方法意識が必要であるかを問う.日本の思想のありかたを浮き彫りにした文明論的考察.
学校や工場(企業)の中で、学習や労働の画一化、序列化が進むとともに暴力や無気力が蔓延している。近代的学校・工場の二つの制度の成立史を辿り、われわれの心身を呪縛している、「近代」の論理を解析する力作。
世界平和を実現するために人類は古くから叡智を傾けたが、戦いは繰り返された。戦争の危機はなぜ去らないのか―この問いに答える書物は少ない。国際関係を単純に図式化・理想化することなく、また「複雑怪奇」といって正確な認識を諦めることもなく追い求めた著者が、軍縮、経済交流、国際機構などを具体的に検討しながら、国家利益やイデオロギーがからみあう現実世界を分析し、組織的に論じた国際政治の入門書。
〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する超全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは、真理省記録局で歴史の改竄に従事していた。彼は奔放な美女ジュリアとの出会いを契機に、伝説的な裏切り者による反政府地下活動に惹かれるようになる。
「資本=ネーション=国家」という接合体に覆われた現在の世界からは、それを超えるための理念も想像力も失われてしまった。資本制とネーションと国家の起源をそれぞれ三つの基礎的な交換様式から解明し、その接合体から抜け出す方法を「世界共和国」への道すじの中に探ってゆく。二一世紀の世界を変える大胆な社会構想。
第二次大戦後の世界は、かつてない急激な変化を経験した。この六〇年を考える際、民主制と市場経済が重要なキーワードとなることは誰もが認めるところであろう。本書では、「市場化」を軸にこの半世紀を概観する。経済の政治化、グローバリゼーションの進行、所得分配の変容、世界的な統治機構の関与、そして「自由」と「平等」の相剋―市場システムがもたらした歴史的変化の本質とは何かを明らかにする。
政党政治を生み出し、資本主義を構築し、植民地帝国を出現させ、天皇制を精神的枠組みとした日本の近代。バジョットが提示したヨーロッパの「近代」概念に照らしながら、これら四つの成り立ちについて解き明かしていく。学界を主導してきた政治史家が、日本近代のありようについて問題史的に考察する重厚な一冊。
今や危機に瀕した民主主義。まだ可能性はあるのか? 民主主義の本質と、その「あるべき」姿を根本から考える。
繁栄を極めたローマ帝国はなぜ滅びたのか?産業革命がイングランドからはじまった理由とは?共産主義が行き詰まりソ連が崩壊したのはなぜか?韓国と北朝鮮の命運はいつから分かれたのか?近年各国で頻発する民衆デモの背景にあるものとは?なぜ世界には豊かな国と貧しい国が生まれるのか―ノーベル経済学賞にもっとも近いと目される経済学者がこの人類史上最大の謎に挑み、大論争を巻き起こした新しい国家論。